久遠の絆
「君に恋したことが間違いだったというのかい?」
問い掛けても、答えは返って来ない。
ふーと息を吐きながら、瞼を開けた。
「私は、君に恋したことが間違いだとは思わないよ。けれど……」
それがすべてを狂わす原因だったのだとすれば……。
「イーファン!」
扉が勢いよく開けられた。
飛び込んで来たのは、シャルティ。
「イーファン、来てくれ!」
「シャルティ、静かに。蘭さんが起きてしまう」
「あ、ああ。すまない」
ちらりと蘭を見たが、シャルティの騒々しさもどこ吹く風で、彼女は眠り続けている。
「何があったんです?」
「砂漠の街道をこちらに向かって来る一団があるんだが、どうも普通の旅人や隊商と言った感じではないんだ」
「分かりました」
シャルティとイーファンは足早に部屋を出て行った。
その直後、蘭の瞼がゆっくり開いた。
意識がまだはっきりしないのか、虚ろな表情で部屋の中を見渡している。
丸窓を見て、ようやくイーファンの部屋だと分かったらしい。
「わたし……どうして?」
シドとマトが睨み合っている場面より後の記憶が抜け落ちている。
「わたし、なんでイーファンのベッドに?あの二人、どうなったのかな」
ベッドの縁に腰掛け、必死に記憶の糸を手繰ろうとしたが思い出せなかった。
「ふー、ダメだ」
息を吐いた時、ぞわっと悪寒が走った。
「な、何?」
「ほぅ。元気そうじゃないか」
突然背後から掛けられた声は、聞き覚えのあるものだった。
ばっと振り向いた蘭は、そこに妖艶に微笑む美女を見た。
「シェイルナータさま……」
問い掛けても、答えは返って来ない。
ふーと息を吐きながら、瞼を開けた。
「私は、君に恋したことが間違いだとは思わないよ。けれど……」
それがすべてを狂わす原因だったのだとすれば……。
「イーファン!」
扉が勢いよく開けられた。
飛び込んで来たのは、シャルティ。
「イーファン、来てくれ!」
「シャルティ、静かに。蘭さんが起きてしまう」
「あ、ああ。すまない」
ちらりと蘭を見たが、シャルティの騒々しさもどこ吹く風で、彼女は眠り続けている。
「何があったんです?」
「砂漠の街道をこちらに向かって来る一団があるんだが、どうも普通の旅人や隊商と言った感じではないんだ」
「分かりました」
シャルティとイーファンは足早に部屋を出て行った。
その直後、蘭の瞼がゆっくり開いた。
意識がまだはっきりしないのか、虚ろな表情で部屋の中を見渡している。
丸窓を見て、ようやくイーファンの部屋だと分かったらしい。
「わたし……どうして?」
シドとマトが睨み合っている場面より後の記憶が抜け落ちている。
「わたし、なんでイーファンのベッドに?あの二人、どうなったのかな」
ベッドの縁に腰掛け、必死に記憶の糸を手繰ろうとしたが思い出せなかった。
「ふー、ダメだ」
息を吐いた時、ぞわっと悪寒が走った。
「な、何?」
「ほぅ。元気そうじゃないか」
突然背後から掛けられた声は、聞き覚えのあるものだった。
ばっと振り向いた蘭は、そこに妖艶に微笑む美女を見た。
「シェイルナータさま……」