久遠の絆
◇◇◇






「では、よろしいですね」


頷く一同に、イーファンは満足そうに微笑んだ。


「巫女姫の村までの旅程は容易くはありません。マト、蘭を頼みましたよ」


「はい、分かりました」


巫女姫の村に着くまでに、イーファンから守護者としての知識を学ばなければならないカイルとシドに代わって、蘭を守る役割をもらったのはマトだった。


「我々のときは神殿でその知識を授かりましたが、今回はそんな余裕はありませんからね。厳しい旅になると思いますが、頑張ってくださいよ」


「ああ」


「元より、承知の上です」


カイルとシドも深く頷いた。


蘭は緊張した面持ちで立っている。


いよいよ。


その役目を果たす時が近付いている。









旅の準備をすべて終え、一行は旅立った。


さらなる苦難が待ち構えているのは容易に想像できるが、彼らはそれを甘んじて受けるしかない。


世界を救うために。










< 744 / 810 >

この作品をシェア

pagetop