久遠の絆
◇◇◇
シャルティは小型戦闘艇に乗り込み、一路首都を目指していた。
こちらの目的もまた、粒子砲搭載艦の奪取である。
これはグレンとの作戦で決まっていたことだった。
戦闘の混乱に乗じて戦線を離脱したのだ。
「おかしいな」
こちらの考えでは、すでに粒子砲搭載艦は動いている筈だった。
しかし実際には、それらしき艦影は見当たらない。
「これじゃ、ほんとに首都まで行っちまうぜ」
どうしたものかと小首を傾げた時だった。
目の端に何かが映った。
「ん?」
そちらに頭を巡らすと、まず巨大な砲台が眼に飛び込んできた。
「あれだ!」
やはり動いていた。
「いや、待て」
向かう方向がおかしい。
「あっちは前線じゃねえ」
砲口が光る。
エネルギー充填が始まったのだ。
「おいおい、ここでぶっ放す気かよ」
シャルティは小型戦闘艇を旋回させた。
砲口が向いている先は、のどかな田園地帯だった。
家畜や、小さな子供の姿まで見て取れる。
「おいおい、待てって」
間に合えば、あの砲台ごと破壊できる。
シャルティは激しい重力を受けながら、戦闘艇を急がせた。
「いける」
砲弾を発射した。
しかし。
それは、砲台に当たる前に跳ね返されたのだ。
「なぬ?」
もう一発。
だがそれも、見えない壁のようなものによって弾かれてしまった。
砲台を守る、見えない壁。
「またまた、不思議の世界よ、こんにちは、か……」
成す術なく呆然とするシャルティの目の前で、高密度粒子砲が発射された。
シャルティは小型戦闘艇に乗り込み、一路首都を目指していた。
こちらの目的もまた、粒子砲搭載艦の奪取である。
これはグレンとの作戦で決まっていたことだった。
戦闘の混乱に乗じて戦線を離脱したのだ。
「おかしいな」
こちらの考えでは、すでに粒子砲搭載艦は動いている筈だった。
しかし実際には、それらしき艦影は見当たらない。
「これじゃ、ほんとに首都まで行っちまうぜ」
どうしたものかと小首を傾げた時だった。
目の端に何かが映った。
「ん?」
そちらに頭を巡らすと、まず巨大な砲台が眼に飛び込んできた。
「あれだ!」
やはり動いていた。
「いや、待て」
向かう方向がおかしい。
「あっちは前線じゃねえ」
砲口が光る。
エネルギー充填が始まったのだ。
「おいおい、ここでぶっ放す気かよ」
シャルティは小型戦闘艇を旋回させた。
砲口が向いている先は、のどかな田園地帯だった。
家畜や、小さな子供の姿まで見て取れる。
「おいおい、待てって」
間に合えば、あの砲台ごと破壊できる。
シャルティは激しい重力を受けながら、戦闘艇を急がせた。
「いける」
砲弾を発射した。
しかし。
それは、砲台に当たる前に跳ね返されたのだ。
「なぬ?」
もう一発。
だがそれも、見えない壁のようなものによって弾かれてしまった。
砲台を守る、見えない壁。
「またまた、不思議の世界よ、こんにちは、か……」
成す術なく呆然とするシャルティの目の前で、高密度粒子砲が発射された。