久遠の絆
粒子砲搭載艦への攻撃は、小型戦闘艇と艦載砲による二重のものとなったが、搭載艦がダメージを受けたようすは皆無だった。


絶望感が、連合軍側に広がる。


そして、エネルギー充填を完了した粒子砲は、エネルギー波を放った。


かに見えたが、一瞬の内に、粒子砲搭載艦のあった景色がすっぱり切り取られたようになくなっていたのだ。


「な、なんだ~?」


呆気に取られるグレンの許に、カイゼライトから映像通信が入った。


「やっと繋がった!グレンさん、どういうことです?」


「俺にもさっぱり分からねえ。ヘラルドが何かやったのか?」



搭載艦のあった辺りは今では、真黒いものがうねうねとうごめいているような闇が広がっていた。


「とりあえず、だ。粒子砲の脅威は消えた訳だから、首都に行くかな?」


「ああ、はい、そうですね」


グレンと話していると、大変なことも大したことではないような気がして来る。


カイゼライトは微苦笑しながら、グレンの旗艦に続くように指揮した。


この後。


彼らは、首都で市民にもみくちゃにされているシャルティと再会することになる。






連合軍の艦隊が慎重に避けて行った闇は、これから次々に出現する。


それは、この世界の終焉を表すものだった。















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