イケメン王子に惚れられました。
「………ワン」
そう言いながら手をグーにしてだいきくんの手のひらの上に乗せる。
本当は今すぐにこのグーでぶん殴ってあげたいとこだけど。
帰りたさには叶わなくて気持ちを抑える。
いや、もしかしたら…
さっき泣いた恥ずかしさを"ワン"で上回ることで泣いたことを忘れさせようとしてくれてるとか……?
……そうだよ!きっとそう!
そう解釈して納得していた瞬間…
…ブハッ
近くから吹く音が聞こえて見上げると、
笑いをこらえきれてないだいきくんがいた。
………もしかしたらなんて思って損した!
だいきくんはそーゆー人なんだ!
私はすねてそっぽを向いた。