優しすぎるイケメン王子*擬人化・短篇*


***


「高校時代の彼氏よ。進学で自然消滅したの」


動物病院で、昼休み。


私の体をブラシで毛繕いして、お湯で濡らしたタオルで拭いてくれる海深さん。


「えっ!?彼氏ですか!?先生に!?」


「……いつからいたの」


ふう、とため息をつく。
受け付け兼、看護士のようだ。


「どんな人ですか!?」


まだ20代の、実習生らしい彼女が、胸の前でプラスチックのスプーンを持って、目をキラキラさせる。


どうやら向かいのコンビニで買ったデザートのスプーンが入ってなかったらしい。


「いいから。お昼、食べちゃいなさい」


「はあい」


口を尖らせると、休憩室に向かう。


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