優しすぎるイケメン王子*擬人化・短篇*
数時間後。
今日はゴミの日ではなかったらしく、回収を免れた私。
「あれ??何かしら……猫??」
通りかかった近所の大学生らしい可愛らしい雰囲気の女の人にふわりと持ち上げられた。
―――いい匂い。
優しい匂い。
ボディソープの匂いだ。
「にゃあ」
小さな声で鳴いてみる。
「うっ……可愛い。ちょっと待ってね」
言ってスマホを取り出すと、私を写してどこかに送信したようだ。
5分も経っただろうか。
自転車の女の人が現れた。
ダウンにハイネックセーター、デニムパンツ姿の、黒髪を肩までのボブにした柔らかい雰囲気の上品な美人だ。
「その子??」
「お願い!!とりあえず寒いし学校あるし可哀想だから、お姉ちゃんの病院で預かってもらえない!?」