愛葉~アイコトバ~
愛葉~aikotoba~

愛葉1  手

何も見えない暗闇の中道標もなく
僕はただ淡々と歩き続けていた
ここはどこ?何を目指しているの?
現実を遮断していた音楽はもう聴き慣れた

手を伸ばしたら掴めそうな光はなく
怯えて落ちた光は遠くでどこかに突き刺さった。
あぁ、あの光に怯えていた僕はどこへ
それすらも冷めた目で突き刺していた

羨ましいほど手の届かない距離で。
アンブレラのパレードもうすぐそこで

幸せって何だっけなぁ?
目の前にあるのに手を伸ばせないままで
「一緒に歩こう」オレンジの光
「僕だって不安だよ」顔を上げてみた

屈折を何度か僕の中で繰り返して
僕の体の中を照らすもの痛くて目を閉じたんだ
ゆっくり歩けばいいんだよ、ほらこの手掴んで
キミにねぇ何度助けられたのだろう

キミはまるで僕の好きな星のような道標になり
歩幅を合わせてまだ見えぬ未来へ歩く
キミのぬくもり遠ざかってはまた僕は
怯えていまを刻む「また独りぼっちだ」

また悪魔がささやいた「この傘を」
僕はもう戻らないあのパレードには

キミの差し出してくれた手をもう1度もう2度と
離れないようにしっかり握りしめて
いつかこの思いを言葉に形にできるまで
歩いていく
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