ホテルの“4つのクリスマスストーリー”
カクテルを1杯飲むと、なんだか際限がなくなりそうだと顔を見合わせ、部屋に戻って飲み直す。
ルームサービスでシャンパンを頼んで、本日2度目の乾杯をした。
~♪
酔いも回って学生時代の昔話に花を咲かせはじめたころ、突然親友のスマホからショートメールの着信らしき音が流れた。
彼女が画面を見て一瞬表情を変えたと同時に、今度は電話の着信音が鳴る。
夢見がちな彼女が追いかけている、ボーイズグループの曲だ。わたしも幾度となく聴かされたから、なんとなく馴染みがあった。
『ごめん。電話・・・』
「イヴの夜に電話なんて、わたしの知らない間にどこかの誰かと新展開でもあった?」
アルコールで頬を赤らめながら茶化すわたしに向かって、申し訳程度に笑いかけると、彼女は部屋を出ていってしまった。