ふたりのアリス
第一章
麗らかな春の午後。
あずみは授業がなかったが、果穂と葵の二人が授業を受けている為、暇つぶしにお気に入りの場所で本でも読んで待っていようと考えた。
(あれ・・・?)
あずみはベンチの10メートルほど手前で立ち止まった。
中庭の木の下のベンチには何時も人陰がない。
だからこそ、あずみはのんびりしたい時には良くここに来るのに、今日に限って先客がいた。
(誰だろう?)
あずみは更に数メートル近づくとベンチに座っている人物が、はっきり見えてきた。
ワンピースを来ているその女性は、ベンチに座り本を読んでいた。タイトルが英字だったので洋書の様だが、英語など古代文字か暗号の様にしか思えないあずみにとって何の本までかは到底分からなかった。
栗色の長い髪を両サイドだけ一つに結んで、後ろの髪を垂らしている。
肌が透き通る様に白く、俯き加減の顔は整っていた。
(綺麗な子だなぁ・・・雰囲気も違う。お嬢様って感じだ)
木漏れ日が差すベンチに座っているその姿はキラキラと輝いていて、まるでおとぎ話の中から抜け出してきたかの様に見えた。
あずみは授業がなかったが、果穂と葵の二人が授業を受けている為、暇つぶしにお気に入りの場所で本でも読んで待っていようと考えた。
(あれ・・・?)
あずみはベンチの10メートルほど手前で立ち止まった。
中庭の木の下のベンチには何時も人陰がない。
だからこそ、あずみはのんびりしたい時には良くここに来るのに、今日に限って先客がいた。
(誰だろう?)
あずみは更に数メートル近づくとベンチに座っている人物が、はっきり見えてきた。
ワンピースを来ているその女性は、ベンチに座り本を読んでいた。タイトルが英字だったので洋書の様だが、英語など古代文字か暗号の様にしか思えないあずみにとって何の本までかは到底分からなかった。
栗色の長い髪を両サイドだけ一つに結んで、後ろの髪を垂らしている。
肌が透き通る様に白く、俯き加減の顔は整っていた。
(綺麗な子だなぁ・・・雰囲気も違う。お嬢様って感じだ)
木漏れ日が差すベンチに座っているその姿はキラキラと輝いていて、まるでおとぎ話の中から抜け出してきたかの様に見えた。