とりあえず恋人になりますか。

「母さん?
雪はなんで雪らしいの?」

「雪が降ると、音が響かなくなるから
辺りはすごく静かになるのよ。」

そーなんだ。

「そんなところが静かな雪さんに似てたの

それと、雪はもっと寒くなると
硬く固まるでしょう?

そんな強さも見えたのよね。」

母さんは人間観察が得意。

だからこんなところまで見てるんだ。

「でも、雪ってふわふわしてるイメージだよ」

「寝起きの雪さんはふわふわしてなかった?」

「あ…」

『んんん。
あ、悠…』

確かに。

「悠は甘えるの好きだから、
雪さんみたいな方が、悠に似合ってるから。
いい彼女さんね。」

自慢の“偽”彼女。

いつか本物になってくれる日は来る?


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