そして二人は。
そして先生に呼ばれ教室に入り、自己紹介をした後、席を先生に言われた。
どうやらあそこにいる、右前を片三つ編みにしている、綺麗な栗色のショートカットの子の後ろが俺の席らしい。
先生は春宮って言ってたっけ。
「あ、あの…」
「は、はいっ!」
俺が声を掛けると春宮さんはとてもびっくりした顔でこちらを見てきた。
まじまじと顔を見られるのが恥ずかしく、つい目線をそらしてしまう。
「そ、その……これからよろしく…」
「は、はい!こちらこそです!えへへ…」
と言った彼女の顔をちらりと横目で見た。
にっこりとはにかみながら笑った顔は、ふんわりとしていて本当に柔らかく可愛くて、守りたいと思ってしまうほど、心惹かれるものだった。
笑顔って、ここまで人を惹き付けるものなんだな…
この子の笑った顔は本当に可愛いと、心の底から思った。
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