100回の好きの行方
 車に荷物を積み込み、助手席に乗るように促しアクセルを踏む。千華と尚志に手を振りながら"行ってきます!"と楽しげな様子の麻嘉だが、二人の顔は明らかに何かを企んでいる様に見える篤人は、さっさと車を発信させた。

「麻嘉、最高の出来だと思わない?」

「ああ。だから餞別あげといた!」

 千華と尚志はお互いにニヤリとほくそ笑むが、篤人にそれが届くことはなかった。

*******

 千華は朝早く、大荷物を抱え麻嘉の実家にやって来た。

 麻嘉の実家を知っているため、たまに泊まりに来るのだが、ネイルをしてくれるためにわざわざ朝早く来たのだが、スーツケースを転がして来たのには、びっくりしたのだ。

「麻嘉、ドレス選んできたからね!」

 そう言われ、麻嘉が今来ているワンピースドレスを脱ぐように促した。

「え!!」

 拒否しようにも、ワンピースの後ろのファスナーを下ろしにかかる千華を止めることは出来ず、下着も手渡されたのに着替えるように言われる。

「このドレスは、カップインタイプだから、ブラは着けなくていいのよ!線も浮き出ないし。あっ後、下はこれにしてね!時間内から早く!」

 手渡されたドレスと、下に着ろと言われたものを見て、麻嘉は口をパクパクさせる。


 
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