１００回の好きの行方
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　麻嘉と千華は準備を整えると、駅へと向かって歩く。横目で見ると、電車で来たには多すぎる荷物を持つ千華を気にしていると、千華が手を誰かに向かって振っていた。

　そちらの方を見ると、目の前にいた人物に驚いた。

「えっ！？尚志。」

「おっは～。千華に、駆り出された。この喫茶店のモーニング１つで。」

　そう話す尚志は、どうやら麻嘉の実家と駅の間にある老舗喫茶店で時間を潰していたようだ。

　実家の事は千華しか知らない。誰にも教えないでという話を千華は守ってくれているのだ。

「ちょっと、コート脱いでみ？」

「はっ？」

「千華が力作って話すからさ。あいつより先にみたいじゃん。」

「朝から恥ずかしいんだけど……。」

　目で嫌だと訴えるが、朝早いから人通りもないため、"誰もみてないって"と話され、千華にコートのボタンを取られ、麻嘉が慌てている一瞬の内に、あっさりコートを奪われた。

「千華！」

　麻嘉が険しい顔を二人に向ける。

　だが、尚志の顔がいつもより赤くなっている。

「……これは、かなり、攻めたな。」

　前と後ろを１回チラ見しただけで、尚志は千華からコートを奪い、あっさり着るように指示をしてきた。
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