100回の好きの行方
ー甘い期待に残酷な現実ーの行方
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麻嘉は今、自分が置かれている状況を上手く飲み込むことが出来ずにいた。
先程までは、今夜宿泊するホテルにある大ホールで、工場長の娘さんの披露宴に参加し、二次会が上の階のラウンジで行われるので参加の有無を、聞かれていたはずだ。
だが、篤人が、"こいつ徹夜あけなんで、すみません。"と腕を捕まれ工場長たちに挨拶をすませ、今は二人でお互いの部屋がある20階に向かうエレベーターの中にいた。
腕を捕まれたまま。
「篤人っ腕、腕離して。」
「…………。」
さっきから声をかけても黙りだ。顔も何を思っているか分からない顔でだが、イライラしたオーラが醸し出されている。
「篤人っ!痛いってば腕!!!!」
少し強めに話しかけると、麻嘉をみて"チッ"と舌打ちをし、漸く腕を解放してくれた。
舌打ちに驚いていると、麻嘉が鞄から取り出して手に持っていたルームキーをさっと奪った。一瞬の出来事で、呆気に捉えていると、エレベーターが20階についた。
「早く降りろよ…。」
呆然とした麻嘉が立ち止まっていると、また不機嫌な声が頭上からし、中々動こうとしない麻嘉の腕を再度掴み、エレベーターを出た。
何も話さず、歩いて着いた先は麻嘉が泊まる部屋の隣。
篤人の部屋の前だった。
麻嘉は今、自分が置かれている状況を上手く飲み込むことが出来ずにいた。
先程までは、今夜宿泊するホテルにある大ホールで、工場長の娘さんの披露宴に参加し、二次会が上の階のラウンジで行われるので参加の有無を、聞かれていたはずだ。
だが、篤人が、"こいつ徹夜あけなんで、すみません。"と腕を捕まれ工場長たちに挨拶をすませ、今は二人でお互いの部屋がある20階に向かうエレベーターの中にいた。
腕を捕まれたまま。
「篤人っ腕、腕離して。」
「…………。」
さっきから声をかけても黙りだ。顔も何を思っているか分からない顔でだが、イライラしたオーラが醸し出されている。
「篤人っ!痛いってば腕!!!!」
少し強めに話しかけると、麻嘉をみて"チッ"と舌打ちをし、漸く腕を解放してくれた。
舌打ちに驚いていると、麻嘉が鞄から取り出して手に持っていたルームキーをさっと奪った。一瞬の出来事で、呆気に捉えていると、エレベーターが20階についた。
「早く降りろよ…。」
呆然とした麻嘉が立ち止まっていると、また不機嫌な声が頭上からし、中々動こうとしない麻嘉の腕を再度掴み、エレベーターを出た。
何も話さず、歩いて着いた先は麻嘉が泊まる部屋の隣。
篤人の部屋の前だった。