100回の好きの行方
 さらにムッとした篤人は、"こうされたらどうするんだよっ。"と、首の後ろで結んであったリボンをスルスルと外し、かろうじてある腰のファスナーを意図も簡単に外した。

「えっ!?キャッ!!」

 一瞬の出来事で慌て、服がズレ落ちないように体を包もうとするが、それより先に篤人が胸元に指を入れてドレスを引っ張ったのだ。

「はっ!?」
 
「えっ!?」

 胸元に指を入れたまま、篤人が変な声を出したため、麻嘉も、変な声を出してしまった。

「お前、ノーブラかよ?何、考えてるんだ!!」

「えっ!違うよ!ドレスがカップインタイプなの。だから、ノーブラじゃないってっ!あっ、いやっ、ちょっと見ないでよ!」

 篤人は青くなりながら、麻嘉は赤くなりながら、二人で慌てる。あまりにもバタバタ麻嘉が暴れるため、篤人の指が敏感な所を掠め、麻嘉が色っぽい声をあげてしまった。

「……まぢ、男がどんなものか分かってねーな。」

 そう言った篤人は、麻嘉の腕を引っ張り、部屋の中央にあるベッドに強引に押し倒した。

 麻嘉はあの時と違う状況に、心拍数があがるのが分かった。あの時は、自分から近づいていったが、今は違う。熱のこもったギラついた目をした篤人に見下ろされているのだ。
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