100回の好きの行方
「気持ちいいんだ。」

 背後から覆い被さるように近づき、耳元で囁かれ麻嘉は顔を真っ赤にさせながら、違う違うと首をふるが、それが嘘なことは篤人には、もうすでにわかっているようだ。

「こっち向いて。」

 甘い声で囁かれると恋人に言われているみたいで、麻嘉は拒めず、オズオズと胸を隠しながら仰向けになると、 クスクスと笑われ"前、見たじゃん。"てからかわれた。

 それでも頑なに、胸をガードする麻嘉にまだ笑っていた篤人は、ふっと視線を足元に向け、みるみるうちに不機嫌に逆戻りした。

「チッ。千華の入れ知恵か?」

「えっ?」

 篤人が何について言っているのか分からず、篤人の視線の先に目を向けると、はだけて捲れ上がった裾から覗く、ガーターストッキングを履いた足に注がれていた。

「みっ見ないでっ!!ダメっ!」

 見られたことな恥ずかしさと、千華との会話も思い出してしまい、胸が露になってしまうことも忘れて、両手でドレスの裾を直そうとすると、胸から離れた手は、ドレスの裾に到達する前に、篤人に寄って拘束された。
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