100回の好きの行方
「隙、ありすぎ…。」

 そう言われ熱い視線を注がれた。

 篤人の瞳に、困惑しているが期待している自分が映っていることに気がついた麻嘉は、自分の気持ちには嘘はつけず、上半身をゆっくり起こし、篤人にそっと触れるだけのキスをした。

ー続けて。抱いて欲しい。ー

 その気持ちを言葉にすることは出来ないけど、どうか届いて欲しいと願いをこめて。

 それを篤人は汲み取ってくれたか否か分からないが、髪を留めていたバレッタをゆっくり外し、ドレスを脱がしにかかった。

 麻嘉も手を伸ばし、篤人のワイシャツのボタンに手をかけた。緊張して上手く外せない麻嘉を、急かすことなく終わるまで待つと、二人でベッドにゆっくり落ち、優しく愛撫を始めた。

 前に抱かれた時に自分が甘い声を出した部分を覚えているかのように、気持ちいい部分ばかりを執拗に攻めてくる。

 声が出ないように手を口に持っていこうとすると、恋人繋ぎのように指と指を絡めて両手を口に持っていくことを防いだ。声を我慢しようとすればするほど、敏感な所を舐められ、触られ、甘噛みされる。

 とうとう我慢出来ずに声をあげた。

「あっ!んっっ……。あんっ!!」

 それでも篤人はやめようとはせず、攻め続ける。
< 118 / 188 >

この作品をシェア

pagetop