100回の好きの行方
 3人で食事しながらも先程の光景が蘇り、不機嫌な様子を察知した尚志は、夜、自分の部屋を尋ねてきた。

 ジムから帰ってきたばかりだったため、一刻も早くビールを飲みたくて冷蔵庫から出したばかりのビールを空けようとしたが、尚志に制された。

「お前はこっち。」

「はっ!?」

 手渡されたのは、コーラだった。

「さしで話したいんだよ。」

 そう言われ渋々コーラを受取り、一気に流し込む。

「なぁ、ここんとこ何でそんなにイライラしてるか分かってるんじゃねーの。」

「……イライラしてねーよ。」

「部署のみんなも気づいてるよ。」

 一応否定はしてみるものの、あからさまにイライラした気持ちを出しているため、気がつかれるのも時間の問題かとは思っていたが、直球に話をしてくる辺り、尚志らしいと思っていた。

「同僚として見てないだろ。麻嘉のこと。」

「同僚だろ?」

「普通、チャンスがあったからって抱き潰すほど抱くか?それも二回も。」

「それは……。」

 痛いとこをつかれたと思った。

 確かにいくらチャンスがあったからといって、自分が制御出来ないほど求めるのはおかしい。それに、今までだって色々な女からの誘惑はあったのだから、それには反応すらしなかった自分が、麻嘉に反応したことは事実だ。

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