100回の好きの行方
 困惑しているが期待しているよう麻嘉が、上半身をゆっくり起こし、そっと触れるだけのキスをし、緊張ながらも、自分のワイシャツに脱がしたこと。

 前に抱いた時に覚えた、甘い声を出した部分ばかりを執拗に攻めると、とうとう我慢出来ずに甘い声をあげたこと。

 麻嘉にとっては、たぶん初めての経験であろう。男性の熱を持っている部分に触れたれたとき、気持ち良くて、それに気づかれないよう必死で攻めた。

 何度抱いても治まらない欲望を、麻嘉に快感として与え、形を変えて抱き合うたびに、前回は背中にしか刻まなかった自分の証を、今回は遠慮なしにいろんなとこに刻み、我も忘れて抱き潰していたこと。

 それらを思いだし、急に恥ずかしさと、誰にもあんな麻嘉の姿は見せたくない、奪われなくないと、独占欲が溢れだした。

 そして、早めに気持ちを伝えようと麻嘉に電話をするが、聞こえてくるのは留守番へに繋ぐメッセージだった。
< 128 / 188 >

この作品をシェア

pagetop