100回の好きの行方
 翌日、篤人は会社のロビーの異様な雰囲気をすぐに察知した。報道陣も遠巻きに会社を映してる。

 篤人が会社内に入ろうとすると、透かさずリポーターが近づいてくる。

「こちらの会社の方ですよね?新世フラワーシリーズについての記事は本当でしょうか?」

「コメントをお願いします!!」

「デザイナーの女性はどんな方なんでしょうか?」

 すごい勢いで迫ってくるリポーターたちだが、篤人にはなんのことだが分からず、無言をつらぬいて通り過ぎ、やっと会社に入ることが出来た。

 何が起こっているかわからないがー新製フラワーシリーズーとの言葉を思い出した、デザイン課に急いだ。

 デザイン課についたら、デザインをした本人、菜月はおらず他のメンバーがすでに佐伯を囲み話をしていた。

「何があったんですか?課長。」

「嵜村……これを見てくれ。」

 そう言われ今日発売の経済紙を見せられた。

「えっ!?」

 篤人は目を見開き驚いた。

 新製フラワーシリーズとして発表されてたのは、麻嘉が工場長のためにデザインしたあの指輪だったからだ。

 見間違うはずはない。

 披露宴で指輪を披露したときに篤人は見ているのだから。
< 136 / 188 >

この作品をシェア

pagetop