100回の好きの行方
ー明らかになる真実ーの行方
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篤人は、あまり使用されていない穴場のカフェスペースに尚志といた。
熱いコーヒーを買った筈なのだが、手に持っているコーヒーは、すっかり覚めてしまっていた。
どれくらいこうしていただろうか。尚志が沈黙を破った。
「驚かされることばっかりだった。」
「……あぁ。そうだな。」
カフェスペースの窓から外の青い空を眺めて答える篤人の顔は、切なげだった。
今日は、新生フラワーシリーズのデザインのことで色々あったため、会社があわただしく仕事にならないと判断した会長が、早めに仕事を切り上げるようお達しがあったのだ。
デザインが菜月のものではないのは、一目瞭然だった。
誰もが麻嘉のものだと分かっていた。
だが、会社に入社した経緯や後々は会社を辞めることになっていたのは会長と佐伯しか知らず、みんなが驚いていた。その佐伯でさえ、デザインのことは知らなかったみたいだ。
霧加屋ギャラリーの貴乃は、麻嘉の母親の妹で、亡くなった麻嘉の母親代わりだったのだ。
そして、嫉妬心を露にしてしまった男性は、麻嘉の兄で華道家の嘉也だった。
篤人は、あまり使用されていない穴場のカフェスペースに尚志といた。
熱いコーヒーを買った筈なのだが、手に持っているコーヒーは、すっかり覚めてしまっていた。
どれくらいこうしていただろうか。尚志が沈黙を破った。
「驚かされることばっかりだった。」
「……あぁ。そうだな。」
カフェスペースの窓から外の青い空を眺めて答える篤人の顔は、切なげだった。
今日は、新生フラワーシリーズのデザインのことで色々あったため、会社があわただしく仕事にならないと判断した会長が、早めに仕事を切り上げるようお達しがあったのだ。
デザインが菜月のものではないのは、一目瞭然だった。
誰もが麻嘉のものだと分かっていた。
だが、会社に入社した経緯や後々は会社を辞めることになっていたのは会長と佐伯しか知らず、みんなが驚いていた。その佐伯でさえ、デザインのことは知らなかったみたいだ。
霧加屋ギャラリーの貴乃は、麻嘉の母親の妹で、亡くなった麻嘉の母親代わりだったのだ。
そして、嫉妬心を露にしてしまった男性は、麻嘉の兄で華道家の嘉也だった。