100回の好きの行方
ー甘いひとときーの行方
 お互いを確認するような軽いキスから、求める濃厚なキスにかわり、たまらず麻嘉は吐息を漏らしてしまう。

 そんな麻嘉を嬉しそうに眺めていたと思うと、篤人は麻嘉の後ろに周り、抱き締めた。

 着物の袷から胸に向かって、手が侵入してくる。

 顔を持ち上げられ、貪欲にキスを求めてくる。

「……麻嘉、帯、外して。」

 耳元で囁かれ、麻嘉は素直に着物の帯をするすると外した。その間中、キスをやめようとしない篤人に、急に恥ずかしくなった麻嘉は、唇を離した。

「……どうした?」

 少し不機嫌に聞いてくる篤人に、はにかんだ笑顔を見せる。

「急に、篤人が甘くなるから……展開に頭が追い付かなくて…。恥ずかしいし………。」

「……俺、舞い上がってんな……。」

 そう言いながら、攻めることをやめようとしないため、
気がついたら、麻嘉はなにも身に付けず、素肌の状態だった。

 眼鏡を外した篤人は、よほど近づかないと見えづらいのか、麻嘉にキスするくらいの距離まで近づき眺める。

「篤人?」

「……近づかないと麻嘉のエロい顔が見えずらい。」

「!!!!エロくないしっ!!」

「涙目で、ぽわーんと見つめてくるし。口とかちょっと半開きで……かなりエロいよ?」

 麻嘉は真っ赤になりながら、目線を逸らすが篤人はその目線を合わせようとおってくる。
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