100回の好きの行方
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 昨夜から何も食べずにいた麻嘉と篤人は、ラブマルシェ内の食べ放題ランチバイキングで夕食兼朝・昼食をしていた。

 朝から腰が立たなくなるくらい攻められた麻嘉は、体をぷるぷるするのを必死に隠しながら、篤人がお皿に取ってくれたものを食べていた。

「中々進まないなぁ?お腹すいてないとか?」

「お腹はすいてるんだけど……。」

 筋肉痛のような痛みが下半身を霞めるため、椅子に座っているのがやっとなことに、気がついてる筈の篤人を、麻嘉は涙目で睨んだ。

「………ちょっと、やり過ぎた……かなぁ?」

「……もう少し、手加減……してよね。」

 麻嘉はそう言いながら、モゾモゾと食べ続けた。悪い、悪いと言いながら向かいの席に座る篤人の顔は、デレッとした締まりのない顔だった。

「ご飯食べたら、服見る?着物とスーツじゃデートっぽくないし。」

 二人は昨日の格好のままなため、はたから見たらすごく違和感がある格好だった。だが、それよりも、篤人が話した"デート"という単語が、嬉しかった。

「………うん、服見る。」

 篤人に負けないくらい、デレッとした顔をしている麻嘉に、篤人も嬉しくなった。
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