100回の好きの行方
 二人は早々と食事を済ませると、ラブマルシェ内にある複合施設内の、男女ファッションを取り扱うお店の中に入った。

 最近このお店は、"恋人にお互い、物をプレゼントする"をコンセプトに、広々とした空間に男女の靴から服、アクセサリー、下着までもを取り扱うことで、有名になっているセレクトショップだ。

「いらっしゃいませ~。着替えて行かれます?フィッティングルームありますよ!」

 若いアルバイトの女の子から声をかけられ、二人で顔を見合わせながら返事をした。

「麻嘉、俺の選んでよ。麻嘉のは俺が選ぶから。」

「えっ!?」
 
「この店来たんだから、当然だろ?」

「うん……。分かった。…でも、し、下着は自分で買うからね!」

 恥ずかしそうに話す麻嘉だが、篤人はキョトンとした様子で"さすがにまだ、勇気ないわぁ~どうしても選んで欲しいなら選ぶよ?布面積の少ないセクシーなやつ。"と、からかわれてしまった。

 そのセリフに麻嘉は真っ赤になった。

 "麻嘉のは俺が選ぶから。"の中に、すべての物が入っていると思ってしまっていた自分が、たまらなくは恥ずかしかった。

「もう!!」

 真っ赤な顔をして下着売り場に行く麻嘉を、篤人は笑いながら見送り、麻嘉に似合いそうな物を探しに行く。
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