１００回の好きの行方
　翌日、篤人の車に乗り、麻嘉は会社に出勤していた。

　あの後、麻嘉が支部を納めることを受け入れたことや、篤人をえらく気に入った父が蛭間からお酒を飲みだし、篤人にもお酒をすすめたため、結局篤人は朝倉神霧島流の客間に泊まることになったのだ。

　普段お酒に強い父だが、今回ばかりは気分よく酔っていた。そのため、篤人への質問も止まらず、麻嘉も嘉也も疲れ果てた。

「出逢って数年！！もうお互い分かってるんじゃ、結婚してくれ！」

「熨斗つけてくれてやる！」

「今流行りの授かり婚でも、許す！！！」

　それに対して、こちらも珍しく酔っ払った篤人は。

「すぐにでも、結婚します！！」

「熨斗なんて、つけないでください！！本当、好きなんです！こちらこそ、お礼をさせてください！！」

「赤ちゃん可愛いでしょうね。」

と、いった具合に本音かどうか分からないからやり取りをし、酔いつぶれ二人仲良く、嘉也が布団に運ぶはめになったのだ。

　朝起きた篤人は、頭をガンガンさせながらも嘉也に平謝りし、父にも頭を下げに行くこととなり、そんな慌てる篤人をみて、麻嘉は可笑しそうに笑うのを堪えたのだった。

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