100回の好きの行方
ー愛してるのー行方
 ーあれから半年ー

 麻嘉を取り巻く環境は大きく変わろうとしていた。

 あの後、出勤した二人を待ち構えていたのは、恥ずかしいくらいの生暖かいお祝いだった。

 尚志と千華を中心にからかわれ、自分達のオフィス・デスクにつくまでに、社員に掴まり、喜びよりもぐったり感が二人を占めていた。

 すぐに社長室に呼ばれた麻嘉は、篤人がその後、どんな目にあったか知らないが、社長室から帰ると、机にふて寝してる姿賀あった。

 菜月は早々に自主退職し、社長により謝罪会見がすぐにあったことで、騒動は解決を見せた。

 麻嘉は、週2回ずつ会社と霧加屋ギャラリーに顔を出し、あとは家業を手伝い、篤人とは相変わらずだ。

 しかし、兄の襲名と篤人のアパートの更新時期が重なったことで転機が訪れる。

「麻嘉、今大変なのね。」

 久しぶりに金曜日の女子会が出来、近況報告を互いにした後、そう呟いたのは千華だ。

「中々、女子会出来なくてごめんね、本当!」

「いいよ。バタバタしてるのは分かってるんだし。」

 麻嘉は、今まで毎週末のように出来ていた女子会が、麻嘉の都合で出来なくなり、気にしていたのだ。
 
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