100回の好きの行方
「なんだこれ?」

 ジムで汗を流した篤斗は、ロッカー室で今来たばかりの千華のメールを確認し、貼付画像を見て、動きが止まった。

 貼付画像は、麻嘉が尚志に迫っているように見える画像で、送られてきた写真をどんどん開いていくと、状況がコマ送りになっていた。

 よく見ると初めは顔が赤くない尚志が写真を開く度、どんどん顔を赤らめて麻嘉から目線を反らしているのが分かった。

 その視線の先は胸元に注がれているようだ。

「…PS、暑くなった麻嘉は、シャツのボタンを2個外して尚志の膝で寝ちゃったみたい。ってなんだこの報告は!」

 篤斗は、ケータイを乱暴にバックの中に投げ捨てた。

「何やってんだよ……。」

 はぁっため息をつき、ハッとしてしまう。自分はなんでこんなにモヤモヤしてしまうのか。

 尚志が女から迫られて顔を赤くする姿なんて見たことない。尚志は、女に慣れている人種で接待でもさらりと対応し、女から追いかけられるタイプで、迫られても来るもの拒まずと言う付き合いはしないタイプだ。

 そんな尚志が、あんな表情するなんて。

(もしかして噂のように、麻嘉が好き?……それとも、胸元が見えて咄嗟に目を反らした?麻嘉、デカイしな……。)

 心の中で呟きまた自己嫌悪に陥る。
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