100回の好きの行方
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「ね、麻嘉。あんた、いつから好きだったの?」

「う~ん。いつからだろう、気がついたら、好きになってたかな。」

 居酒屋を後にし、二人が向かうのはいつものスタバ。金曜日は、終電近くまで、駅前のスタバで甘いものを飲んで、一週間の愚直や報告をする。

「……急に、なんでコクったの?もしかして、家と関係あるんじゃ。」

 千華が、怪しんで聞いてくる。麻嘉の顔を除き混むようにし、表情をみようとする。

「約束の28歳まで、そんなに時間がないことに、今さら気が付いたんだ。」

 どこか遠くを見ながら話す麻嘉に、千華ははっとした。

「悔いがないように、やりきらなきゃ。」

「……そっか…。」

 千華はそれ以上何も言わなかった。

 これは、千華だけが知る麻嘉の秘密で、会社の人間も同期の二人も知らないことだ。

 でも、誰かに聞いて欲しくて、随分前に千華にはこっそりと打ち明けていたのだ。

「永遠に28歳なんて来なければいいのにね…。」  

 千華の問いかけに、曖昧に笑う麻嘉は、溶けていく氷を眺めていた。

ー私もいっそ、この氷のように溶ければいいのに。ーと。
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