100回の好きの行方
 麻嘉はこの道がどこに続くかは分からなかったが、繋がれた手に意識が集中して不思議と不安はなかったが、連れていかれた場所を見て、目を見開いた。

 こんな辺鄙な場所には似つかわしくないファンシーな感じのピンクと白の建物が目の前に現れたからだ。

(えっこの場所って……!)

 そう頭の中で考えていると、受付で何かぶつぶつとやり取りしていた篤斗にまたもや手を引かれエレベーターに乗せられ、気がついたら大きなベットがある薄暗く妖艶な雰囲気のある部屋の中だった。
 
 入り口に立ち尽くしていると、ベット近くのソファーに荷物を置くとワイシャツのボタンを外し始めた。

「篤斗、なに…してるの?」

「麻嘉も早く脱げよ。」

「えっ……無理!ってか……嫌々、無理!」

 真っ赤になりながら拒否する麻嘉を見て、篤斗も真っ赤になりながら答える。

「っばか!何、考えてるんだよ!服を洗濯・乾燥してもらうから言ってんだよ。」

 そう言うときにはすでにワイシャツを脱ぎ、眼鏡を外してズボンのベルトを外そうとするところだった。

「あっちで脱いでよ!」

 篤斗はズボンを脱ごうとしている自分の姿を見て、"悪いっ。"て言って、入り口とは別の扉を開けて暫くして薄いバスローブを身に付けて戻ってきた。

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