１００回の好きの行方

　篤斗がスーツのジャケットを貸してくれたお陰で、篤斗よりはずぶ濡れにはならなかったが、確かに自分も濡れてると思い、篤斗から渡されたファイルを開いた。

　初めは飲み物や食べ物のメニューだったが、ページを進めると中身がどんどん怪しくなってきた。

「セクシーランジェリー……嫌々、さすがにこんな布面積が少ないのは……コスプレ……無理無理！あぁどうしよう～。篤斗はなれてるんだろうけど…私は無理！」

　頭を抱えながら必死に悩む。

　悩みながらも、篤斗があまりにも同様せずにこの状況を受け入れているのに、少しいや大分胸が傷んだ。

　毎日のように菜月から聞かされる言葉が過る。

ｰ篤斗はずっと私を求めて来るのよ！本当に肉食なの！ｰ

だとか、

ｰ色んなところに、自分のものっていう証をつけるのが好きみたいで、エッチしてる間中、ずっとキスしてくるのよ！情熱的でしょ？ｰ

　そんな聞きたくもないことを女子トイレで他の人がいるのに言われる。

　でも正直、うらやましい。

　菜月はオフィスに露出が高い格好をしてくるが女子力は、麻嘉より確かに高いと麻嘉は思っていた。

　お弁当を作り、麻嘉みたいにホッケを食べたりしないし、フルメイクで納期が近くてもボロボロな様子は見られない。