100回の好きの行方
 麻嘉は、自分の胸元をチラリと覗きこんだ。

「役にたたないEカップだこと……。」

 ふぅとため息を着いたとき、部屋のチャイムがなり、麻嘉は慌てたが、ドアの前から"はい。"と声を出した。

「お客さん、台風のせいでとんだ災難だね!男性から言われた下着の替えと食べ物のと飲み物ここに置いとくから、まぁ普通のホテルじゃないから不便だろうけど、何かあればフロントに連絡下さい。あっ下着はこれしかないんだわ、ごめんね。洗濯するやつは、この段ボールに入れて外に出しといて。」

 そう言われ、足音が遠退くのを確認し、外においてある段ボールをそっと中に入れ、下着を確認し急いで身に付けて、着替えた。

 下着のサイズが少し小さいことや、薄いバスローブももちろん気になるが、静まり返った部屋に響くシャワーの音が生々しく、緊張が高まった。

「風呂溜めてあるぞ?」

 それから暫くぼーとしていたんだろう気がつくと、お風呂場から篤斗が出てきた。

「……ありがとう、入るね。」

 直視できず横をすり抜けて、お風呂場に逃げるように入り、脱衣室にある鏡を見て、自分の顔がゆでダコみたいにとても赤いことに気がついた。
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