１００回の好きの行方
　気持ちを落ち着かせようとしていると、ケータイのメール音が鳴った。

　千華からのメールだ。

『台風そっち接近してるでしょ？１泊で帰って来れるのかな？電気とか大丈夫？そっち結構停電してるとこ多いみたい。あんた、私が言ったように可愛い勝負下着持ってきてるでしょうね？今日はチャンスの日よ！深山がいないんだから！』

　喋ってるんじゃないかと思うくらいのマシンガンメールだ。

　今のこの状況を聞いたら何て言うか。伝えたいし、アドバイスを貰いたいが言ったところで、チャンスとしか言われない気がして、メール画面を閉じた。

「電波が悪かったことにしよう……。」

　バスローブと下着を脱ぎお風呂場に入ると、普通のお風呂よりかなり広いお風呂が目に入った。

　こんな場所に来たことは今までないが、学生時代友達から聞いて、中身は知っている。

　シャワーを浴びながら、体を隅々まで無意識に洗う自分に、何、期待してるんだって呆れてしまう。

　篤斗が溜めてくれた、一人で入るには広いお風呂に、思いっきり足を伸ばして入った。

「篤斗は、私とラブホテルにきても何てことないんだろうな……。」

　そう呟く声がお風呂場に木霊しやけに大きな独り言になった。
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