１００回の好きの行方
　悶々としながらお風呂からあがり、部屋に戻るとベットに腰掛けケータイを弄る篤斗の姿が目に入った。

　こっちを振り返ったとき、はだけたバスローブから筋肉質な肉体ときれいな鎖骨が見え、麻嘉は、ごくりと唾を飲み込んだ。

「泊まるはずだったホテル、キャンセルしなきゃね。」

「……あぁ、しといたよ。」

　二人の中にまた沈黙が流れる。

　さすがにベットに麻嘉は座ることが出来ず、近くのソファーに座ったが、バスローブの丈が異様に短く下着が見えないかと、モジモジしてしまう。

「なぁ、工場長に何であんなこと言ったんだ？俺なら断らずにちゃんと麻嘉に伝えるって。」

「えっ？あぁ、個人的なデザインのこと？」

「あぁ。だって普通ならあまり会社の利益にならない個別の営業はしないと思われるじゃん。」

「篤斗は、大きい小さい、利益になる、ならないで仕事しないでしょ！それこそ人あってて思って仕事してるから、私がやらないって言っても絶対やれっていうでしょ？」

　篤斗は目を見開いき驚いた表情をした。

「私、そうゆう篤斗を好きになったんだもん……。」

　恥ずかしそうにハニカミながら話す麻嘉の顔は、お風呂上がりなことと照れて、少し赤くなっていた。
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