100回の好きの行方
ーぬくもりの代償ーの行方

後悔しないはずだったのにー麻嘉sideー

「……来いよ。」

 その言葉に少し強引だけど期待してしまった麻嘉は次の言葉にガックリきた。

「ベット広いから端と端に寝れば大丈夫だろ?」

 ベットの中央よりに座っていた篤斗が右側に寄ろうとしたのを咄嗟に麻嘉は阻んだ。

 こんな場所なのに、これっぽっちも女ととして見られていないんだ、気まずい感じもないんだ、自分が何も出来ないんだと思われているんだと思うと、悔しくて形振り構っていられない。

 そう感じたら理性と欲求の間で、麻嘉は何かがキレてしまった。

ーチャンスーなんだと。

「まひろ……?何、してるんだよ…。」

 場所を移動しようとしたところを阻まれたため、ベットの右寄りの中途半端な場所に篤斗は上半身を起こし、少し戸惑っていた。

 それもそのはずだ。

 麻嘉は、横になり上半身を少し起こした篤斗の足と足の間に正座する形で座ったのだ。

「ね、私が何も出来ないと思ってる?」

「はぁ!?」

「……私、篤斗のこと好きなんだよ?」

「……。」

「こんな場所に来たら、少し期待するじゃん……。」

「雨が激しくて車庫が開かなかったからだろ?別に……!!ちょっ!麻嘉!!」

 麻嘉から視線を外して目を見ようともしない篤斗に、麻嘉は自分のバスローブの紐を解いて、上半身をあらわにしたのだ。

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