100回の好きの行方
 ビックリして慌てるが、そんなのお構いなしで麻嘉は身をのりだし、肩に触れてくる。

 視線をそらしても、ついつい覗き見してしまう豊満で艶っぽい体に、結構ギリギリであることに気がつく。

「私を女として見れない?(見てるから、お願いだから着てくれ!)」

「……お前、酔ってんのかよ。」

「酔ってるよ、この異様な雰囲気に。(俺も確かにこの雰囲気に飲まれそうだ。だけど……。)」

 心の中を見透かされそうにじっと見つめられ、自分も相手の真偽を確かめたくて見つめ返したら、そっとキスをしてきた。

 一瞬、驚いて自分でも硬直するのがわかるが、不意にあの時にしたキスを思いだし、その瞬間に理性がきれた、わ

 麻嘉が唇を外すと、目を細め後頭部を押さえ、逃げないようにし、吸い付くように激しくキスした。

 麻嘉が自分で口をあけたのを合図に、さらに深く貪るように激しくキスをし、体を回転させ、麻嘉を見下ろした。

 甘い声をもっと聞きたくて。

 普段から想像できない麻嘉を見たくて。

 麻嘉を抱く理由が欲しくて。

「煽ったの、お前だからな。」

 そう麻嘉に囁いた。
< 78 / 188 >

この作品をシェア

pagetop