100回の好きの行方
その時、篤斗の顔が過った。
誰にも言わず、ただの同期として接し、気持ちをひたすら隠してきたが、本当にこれでいいのか…そう考えた時、自分は何もせずにお見合いして、悔いはないのか思ってしまう。
100回、好きと言えば伝わる?
100回、好きと言えば付き合える?
麻嘉は、自分でリミットを決めた、100回と言う。
101回目はないのだと。
電車に揺られながら、麻嘉は目を閉じた。
*******
「えっ?それって、あまりにも具体的じゃない?」
「そーか?」
ー手料理が作れて、しかも今の子が作らないような、稲荷寿司とか。会社の玄関の花を生けるような、和服美人。ー
尚志に聞かれて、篤斗が答えた好きなタイプが、これだった。
しかし、あまりにも具体的だが、今時そんな子がいるだろうかと疑問視してしまう。
でも、そう話す篤斗があまりに、優しそうな顔をするので、尚志はすぐに分かってしまう。
「好きな人いるんだ。」
「………!!ばっ、ばか!ちげーよ!」
尚志の呟きに、真っ赤になりながらうろたえる姿を見て、すんなりと納得してしまった。
この5年、そりゃー浮いた話もないわけだと。
篤斗を応援したい気持ちもあるが、麻嘉も大事な同期なのだから、本音は二人とも幸せになって欲しいと思っている。
二人が幸せになる方法を、つい、考えてしまった。
誰にも言わず、ただの同期として接し、気持ちをひたすら隠してきたが、本当にこれでいいのか…そう考えた時、自分は何もせずにお見合いして、悔いはないのか思ってしまう。
100回、好きと言えば伝わる?
100回、好きと言えば付き合える?
麻嘉は、自分でリミットを決めた、100回と言う。
101回目はないのだと。
電車に揺られながら、麻嘉は目を閉じた。
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「えっ?それって、あまりにも具体的じゃない?」
「そーか?」
ー手料理が作れて、しかも今の子が作らないような、稲荷寿司とか。会社の玄関の花を生けるような、和服美人。ー
尚志に聞かれて、篤斗が答えた好きなタイプが、これだった。
しかし、あまりにも具体的だが、今時そんな子がいるだろうかと疑問視してしまう。
でも、そう話す篤斗があまりに、優しそうな顔をするので、尚志はすぐに分かってしまう。
「好きな人いるんだ。」
「………!!ばっ、ばか!ちげーよ!」
尚志の呟きに、真っ赤になりながらうろたえる姿を見て、すんなりと納得してしまった。
この5年、そりゃー浮いた話もないわけだと。
篤斗を応援したい気持ちもあるが、麻嘉も大事な同期なのだから、本音は二人とも幸せになって欲しいと思っている。
二人が幸せになる方法を、つい、考えてしまった。