好きになるということ。
小さい頃から特にこれといって夢や願望がなかった私は、親や友達に進路を聞かれても答えられず、進路用紙にも白紙で出しては担任に怒られていた。
好きな事もなかったし、はまっているものもないつまらない子供だった。今思えばかなり冷めている子供だったと思う。
そんな私が唯一得意なことと言えば文章を書くこと。
それが好きという訳ではなかったが、作文コンテストには何度も入選していたことから、流行っていた携帯小説を友達の誘いにのって書いてみると、
何故かそれがヒットし、本が発売され、そこから今の会社に入る流れになった。
今思うと流行っていたようなことがらを並べて書いただけだったが、それが逆によかったらしい。
「美希は擦り切れるまで読んだよ~。」
「いや、全然綺麗だし。擦り切れてないし」
「竹ちゃんシャラップ!!」
「というか、あんた25にもなって自分のこと名前で呼ぶのはどうかと思うけど。」
「もうねー、ヒーローがヒロインを想う気持ちが溺愛すぎて...!嫉妬深いところも、女の子が嫉妬しちゃう感じも全部きゅんきゅんなの!!」
「あんたいっつもあたしを無視するよね、どーでもいいけど」