サンタクロースは君だった
「だ、だいじょぶ、大丈夫です。」
噛みすぎだ。仕事ならばもっとスマートにこなせるのに、レオの前だと言葉がつかえてしまう。
「あ、でもそしたら素手がいいけど…寒いかな?」
そっと触れたレオの冷たい手が、ひかりの手を取った。
「ひかりちゃんあったかい!」
「さっきまで室内にいたから…。」
「でも、僕冷たすぎるよね?ひかりちゃんの手が冷えちゃう!手袋借りるね。」
ひかりから借りた手袋をいそいそと手にはめるレオ。ひかりもそれに合わせて手袋をつけた。
「手袋してない方の手はポケットに入れとかないと冷えちゃうね。」
「危ないですけど…仕方ないかな、今は。」
レオの素手の感触は一瞬だった。冷たいけれど、大きくてしっかりした手。
「…でもやっぱり、手袋じゃなくてひかりちゃんの手と直に繋ぎたかったなぁ…。」
私もです、とは言えない。ほんの少し、思っていても。さっき絞り出した『大丈夫』でも精一杯すぎる勇気だ。
「あ!いいこと思いついた!」
「何ですか?」
「ポケットの手か手袋の手かどっちかがあったまったら…ひかりちゃんと手、繋いでもいい?」
「え…えっと、それは…。」
「手袋なしで、ひかりちゃんと手を繋ぎたいってこと。あったまるまでは、手袋の手。」
レオはそう言って、そっとひかりの手を取った。ひかりは手が小さい方ではないけれど、それでもすっぽりと包みこまれてしまうのは、やっぱりレオが男の人であるからに違いない。小さい頃も手を繋いだことはあったけれど、もちろんその時はひかりの方が圧倒的に手が大きかった。10年の時は、たくさんのものを変えている。
「僕たち、恋人同士に見えるかな?」
「こ、恋人じゃないですっ!」
「そういうときだけ反応が早いよ、ひかりちゃん。」
それでも楽しそうに笑うレオに、胸がとくんと鳴る。年甲斐もなく、まるで少女漫画のヒロインみたいに。
噛みすぎだ。仕事ならばもっとスマートにこなせるのに、レオの前だと言葉がつかえてしまう。
「あ、でもそしたら素手がいいけど…寒いかな?」
そっと触れたレオの冷たい手が、ひかりの手を取った。
「ひかりちゃんあったかい!」
「さっきまで室内にいたから…。」
「でも、僕冷たすぎるよね?ひかりちゃんの手が冷えちゃう!手袋借りるね。」
ひかりから借りた手袋をいそいそと手にはめるレオ。ひかりもそれに合わせて手袋をつけた。
「手袋してない方の手はポケットに入れとかないと冷えちゃうね。」
「危ないですけど…仕方ないかな、今は。」
レオの素手の感触は一瞬だった。冷たいけれど、大きくてしっかりした手。
「…でもやっぱり、手袋じゃなくてひかりちゃんの手と直に繋ぎたかったなぁ…。」
私もです、とは言えない。ほんの少し、思っていても。さっき絞り出した『大丈夫』でも精一杯すぎる勇気だ。
「あ!いいこと思いついた!」
「何ですか?」
「ポケットの手か手袋の手かどっちかがあったまったら…ひかりちゃんと手、繋いでもいい?」
「え…えっと、それは…。」
「手袋なしで、ひかりちゃんと手を繋ぎたいってこと。あったまるまでは、手袋の手。」
レオはそう言って、そっとひかりの手を取った。ひかりは手が小さい方ではないけれど、それでもすっぽりと包みこまれてしまうのは、やっぱりレオが男の人であるからに違いない。小さい頃も手を繋いだことはあったけれど、もちろんその時はひかりの方が圧倒的に手が大きかった。10年の時は、たくさんのものを変えている。
「僕たち、恋人同士に見えるかな?」
「こ、恋人じゃないですっ!」
「そういうときだけ反応が早いよ、ひかりちゃん。」
それでも楽しそうに笑うレオに、胸がとくんと鳴る。年甲斐もなく、まるで少女漫画のヒロインみたいに。