サンタクロースは君だった
* * *
完成披露試写会が終わり、こっそりと楽屋に足を運ぶことになった。一応、実弥には事前に話を通しているらしい。
「…わ、私は外で待ってた方が…。レオくんは関係者だけど、私はそうじゃないし…。」
「心配性だなぁ、あ、じゃあこれ持ってて?そしてこの帽子をっと。」
「わっ!」
レオの被っていたキャスケットを被せられ、おまけにコートまで持たされる。
「帽子で顔を隠せばいいし、僕のコートを持ってたら僕のマネージャーか何かだと思ってもらえるよ。ひかりちゃんのことがばれることはない。…すごく申し訳ないけど。」
「…だ、大丈夫だよこのくらい。むしろ身がばれることの方が…。」
「…わかった。じゃあそれで行こうか。おーい、実弥ー。来たけど。」
ノックの音が大きく響く。中から出てきたのは、今を輝く芸能人。
「おー!お疲れ!」
「レオ!お前も本当はこっち側のくせに!そして…こっちは噂のひかりさんってわけか。」
「えっ!?」
ひかりは思わず顔を上げた。
「はじめまして。成瀬実弥です。映画は面白かったですか?」
「は、はいっ!とても。」
「それは良かった。」
人懐っこい笑み。これが国民的に愛される芸能人のスキルだ。
「おい実弥…ひかりちゃんに話しかけるのやめてくんない?それと、ひかりちゃんにお前のその笑顔向けんのも。」
「おいおい、俺にまで敵意向けんなよ。この業界で唯一の友達だろ?」
「…僕は実弥ほど友達少なくないけど。」
「本音で語れる友達いるのかよ。」
「まー僕、もう業界人じゃないし?」
「…ってお前と言い合ってる時間はないんだった。それで、その顔を見るにひかりさんは当てたんだ、お前の仕事だって。」
「ひかりちゃんの耳は本物だからね。」
突然降ってくる自分の話題に、ひかりはただただ顔を赤くするしかできない。
完成披露試写会が終わり、こっそりと楽屋に足を運ぶことになった。一応、実弥には事前に話を通しているらしい。
「…わ、私は外で待ってた方が…。レオくんは関係者だけど、私はそうじゃないし…。」
「心配性だなぁ、あ、じゃあこれ持ってて?そしてこの帽子をっと。」
「わっ!」
レオの被っていたキャスケットを被せられ、おまけにコートまで持たされる。
「帽子で顔を隠せばいいし、僕のコートを持ってたら僕のマネージャーか何かだと思ってもらえるよ。ひかりちゃんのことがばれることはない。…すごく申し訳ないけど。」
「…だ、大丈夫だよこのくらい。むしろ身がばれることの方が…。」
「…わかった。じゃあそれで行こうか。おーい、実弥ー。来たけど。」
ノックの音が大きく響く。中から出てきたのは、今を輝く芸能人。
「おー!お疲れ!」
「レオ!お前も本当はこっち側のくせに!そして…こっちは噂のひかりさんってわけか。」
「えっ!?」
ひかりは思わず顔を上げた。
「はじめまして。成瀬実弥です。映画は面白かったですか?」
「は、はいっ!とても。」
「それは良かった。」
人懐っこい笑み。これが国民的に愛される芸能人のスキルだ。
「おい実弥…ひかりちゃんに話しかけるのやめてくんない?それと、ひかりちゃんにお前のその笑顔向けんのも。」
「おいおい、俺にまで敵意向けんなよ。この業界で唯一の友達だろ?」
「…僕は実弥ほど友達少なくないけど。」
「本音で語れる友達いるのかよ。」
「まー僕、もう業界人じゃないし?」
「…ってお前と言い合ってる時間はないんだった。それで、その顔を見るにひかりさんは当てたんだ、お前の仕事だって。」
「ひかりちゃんの耳は本物だからね。」
突然降ってくる自分の話題に、ひかりはただただ顔を赤くするしかできない。