サンタクロースは君だった
* * *
おでんを食べ終え、片付けを手伝う。レオの隣に並んでも緊張することが前よりは減ったように思う。
片付けを終え、ソファーに座るように促された。紅茶が運ばれてきて、レオが一度自室に戻った。
「それでは、ホワイトデーのお返し。ひかりちゃんのリクエストにお応えします!冬木レオン、復活祭~!」
「え…!?」
「ひかりちゃんが好きな曲を言ってくれれば歌うよ。バンドもいないし、アコースティックバージョンにはなっちゃうけど。キーボードは奥の部屋だし、ギターしか今ないから。」
「え…い、いいの?」
「もちろん。ていうか、ひかりちゃんはこれでいい?」
「これでいいも何も…こんなに素敵なお返し貰っていいの?」
「うん。だってひかりちゃんにしかあげる予定ないもん。じゃあ1曲目のリクエストは!?」
好きな曲がありすぎて、そして突然のことに少しだけパニックだ。しかし、歌ってもらうならば最初はこれがいい。
「勿忘草。」
* * *
ひかりが選んだものは冬木レオンのデビュー曲だった。ひかりの耳にも驚くことは多いけれど、選曲にも胸が熱くなった。
「勿忘草が一番好きなの?」
「…正直なことを言うと、一番は常に入れ替わるというか、私の気持ちによって変わるんだけど…。でも、勿忘草がなかったら、私が冬木レオンというアーティストを好きになることはなかったと思うから。」
勿忘草、その花言葉は「真実の愛」、そして「私を忘れないで」
タイトルを付けた後に花言葉を知ったけれど、気持ちはそれだった。二人が住んでいた家の近くに咲いていた勿忘草をレオが見つけ、その名を知らなかったレオにひかりが教えてくれた。ちょっと得意気な顔を初めて見た気がして、嬉しかった。
「…わかった。では1曲目は勿忘草。デビュー曲です。」
ギターの弦を弾く。柔らかな響きに、レオの声が乗った。
おでんを食べ終え、片付けを手伝う。レオの隣に並んでも緊張することが前よりは減ったように思う。
片付けを終え、ソファーに座るように促された。紅茶が運ばれてきて、レオが一度自室に戻った。
「それでは、ホワイトデーのお返し。ひかりちゃんのリクエストにお応えします!冬木レオン、復活祭~!」
「え…!?」
「ひかりちゃんが好きな曲を言ってくれれば歌うよ。バンドもいないし、アコースティックバージョンにはなっちゃうけど。キーボードは奥の部屋だし、ギターしか今ないから。」
「え…い、いいの?」
「もちろん。ていうか、ひかりちゃんはこれでいい?」
「これでいいも何も…こんなに素敵なお返し貰っていいの?」
「うん。だってひかりちゃんにしかあげる予定ないもん。じゃあ1曲目のリクエストは!?」
好きな曲がありすぎて、そして突然のことに少しだけパニックだ。しかし、歌ってもらうならば最初はこれがいい。
「勿忘草。」
* * *
ひかりが選んだものは冬木レオンのデビュー曲だった。ひかりの耳にも驚くことは多いけれど、選曲にも胸が熱くなった。
「勿忘草が一番好きなの?」
「…正直なことを言うと、一番は常に入れ替わるというか、私の気持ちによって変わるんだけど…。でも、勿忘草がなかったら、私が冬木レオンというアーティストを好きになることはなかったと思うから。」
勿忘草、その花言葉は「真実の愛」、そして「私を忘れないで」
タイトルを付けた後に花言葉を知ったけれど、気持ちはそれだった。二人が住んでいた家の近くに咲いていた勿忘草をレオが見つけ、その名を知らなかったレオにひかりが教えてくれた。ちょっと得意気な顔を初めて見た気がして、嬉しかった。
「…わかった。では1曲目は勿忘草。デビュー曲です。」
ギターの弦を弾く。柔らかな響きに、レオの声が乗った。