sunflower
「かぁちゃんととうちゃんが駆け落ちしたんは知っとるな?」
「うん。」
「それはな、ただ単に親に認められんかった訳やない。かぁちゃんは、エリーは、アメリカではそれは名の知れた財閥の社長令嬢やった。
そんなかぁちゃんととうちゃんがどうやって会ったんかって話になるんやけどな、ある時とうちゃんの大阪本店に手紙がきて、是非とも娘の誕生日にお好み焼き食べさせてやりたいと言ってくる外国人がいたんだ。
慣れない手つきで書いてあるその手紙にどうしてもとうちゃん答えたかった。
そこで俺はエリーに会った。
会った途端、胸の動機が激しくなった。
まさにそれは〝一目惚れ〟って言うやつやった
。
英語の喋れない俺は通訳者を通してその家の使用人に彼女事を聞いた。
そしたら彼女はちまたでは有名な美女で、彼女に愛の告白をした男は数しれなかった。
モデル業もしていて、TVにもたくさん出ていた。。
そんなエリーと俺が会えたんは本当に奇跡としか言えへんかった。
そして、まぁ、いろいろあってな。
お互いお互いが好きになった。
けど、その途端にエリーのお見合い話が入り込んできてな、それと同時に俺も日本へ帰ることになった。
けど、もうエリーと俺は離れられないほど愛し合っていた。
そこでエリーの親に覚えたてホヤホヤの英語を使って娘さんを下さいと言ったんや。
けど、やっぱりダメやってな。
俺はその家から即座に追い出されて高級感の溢れる車に入れられては空港に直球だった。
エリーともう2度と逢えない。
そう思った時、また逢えてな。
エリーは駆け落ちしようと俺に言ってきた。
そして俺もまた彼女の手を掴んだ。
そして場所の知れない大阪の本店に戻らず、この田舎に引っ越してきたんや。」