sunflower
「ーーあの〜お客さん、もう終点なんで降りてもらわないと…。」
変な空気の中、現れたのは駅員さんやった。
「あ、すんまへんっ!今おりますんで!」
うちが降りるのと同時に彼も急ぎ降りた。
ーープシューーーー…。
さて、
「……どないしよ。」
ココ、東京でおうとんやろか…。
「ーーあ、にいちゃん、にいちゃん!ここ何処かわかる?うち、東京来るの初めてで!」
そうやん!この、the都会☆って感じのにいちゃんならなんか知っとるかもしれへんわ!
「東京ならとっくに過ぎましたよ。」
過ぎたんかーーーい☆☆☆
しかもとっくに!
「ほんまかい!えーー!!ここから東京行くのどうすれば行けはるん?バス?タクシー??」
「タクシーじゃないですかね?2時間くらいでつくと思いますよ。」
さすが都会のにいちゃん!!
地理に詳しいわ!!!
「よっしゃ!じゃあ、タクシー拾うか!
…あ、にいちゃんはちなみにどこ行くん?」
「俺も東京ですけど…。」
「なんや!そーならそーとはよいいーや!!一緒にタクシー拾うて帰ろーや!!」
背中を叩いて勇気づける。
ーーバシバシッ
「ーーいてっ、は、はい。」
「ほな、いこかー!」
うちはその手を掴んで駅から出る。
初めて掴んだ男の手はごつくて、固くて、男女の違いを少し思い知らされた。