I need you !


それからは、平和に毎日が送れていた。

私は、週末は、魁の部屋で過ごすようになり、ふたりで料理をしたり、DVDを見たりした。

魁は、あの後、秘書さんの一方的な言い寄りに閉口し、男性の秘書に変えた。

お陰で、仕事に支障がなくなり、始めからそうすればよかったと、反省していた。

婚約者がいても、お構い無しの風潮は、日本でもあるんだと、魁は、驚いていた。



もうすぐクリスマス。

毎年、友達と過ごしたり、時には、北海道にスキーに行ったりしていたが、今年は、魁と過ごすことになるだろうな。

12月に入り、
《ユーリ、クリスマスは、シアトルに一緒にいかないか?》

《どうして?》

《ごめん。シアトルに仕事で行かなければならなくて、それなら、ユーリも連れていきたいなあーと。クリスマスを一緒に過ごしたい。》

《いいよ。シンシアにも会えるし、赤ちゃん、きっと大きくなったよね。女の子だよね。》

《ルシアだ。とっても可愛いよ。アランは、デレデレなパパだ。》


私たちは、クリスマスをシアトルで過ごすことにした。

よい機会なので、魁のグランマにも会いに行く予定だ。

そのまま、お正月の2日まで、約2週間をシアトルで一緒に居られる。

私は、楽しみにしていた。まさか、この間に、2回目の喧嘩をすることになるなんて、考えてもみなかったのだ。
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