I need you !
魁-mind
俺は、油断していたんだ。
しばらくぶりのシアトルで、気が緩んでいた。
日本では、回りの視線を気にする生活ができていた。
日本の環境が、俺にそうさせている。
そして、いつも念頭にユーリのことがあり、大事にしていた。
ここ、シアトルでは、自分の思うように振る舞うことができた。
今年最後の仕事の取引先ともよい関係を築けた。
そう、だから、見えてなかったんだ、自分の立場が。
昔の仲間と会い、昔の自分を受け入れられて、浮かれてしまった。
ユーリのことも、すっかり抜けていた。
あんなに欲しくて、漸く手に入れたのに、どうして?