I need you !
魁の謝罪2
何も持たずに帰国した私を、皆が心配してくれた。
訳を聞かれたが、私は話すことが出来なかった。
話したくても、声にならないのだ。
私は、部屋にこもったままの状態だった。
その間、母が、静おばさんに連絡をして、事の次第を聞いていたらしい。
一週間後、魁が私のスーツケースを持って、帰ってきた。
私も、落ち着いてきたところだった。
蒼白い顔の私を見て、魁は、頭を下げてくれた。
あの夜、会食を終えた魁が、タクシーを待っていると、メリッサに偶然会った。
メリッサが、仲間たちで、パーティーをしてるから、と誘ってきた。
仕事が上手くいき、気分がよかったため、誘いに乗ってしまった。
思ったより、沢山の昔の仲間が声をかけてくれて、飲まされ、時間を忘れて飲んでしまった。
メリッサがキスしてきたが、挨拶程度だから、別に気にしなかった。
正直に、
《羽目をはずした自分が、悪かった。自分で自分がこんなに嫌になったのは、初めてだ。もう、これからは、こんなことで、ユーリを悲しませない。許して欲しい。》
床に正座して、許しを乞う魁に、私は、
《わかりました。あなたの言うことを信じます。 でも、本当に辛かったの。自分が壊れてしまいそうで。》
それを聞いた魁は、私の身体を抱き締めて、
《もう二度と悲しませないから。約束するよ。》
これが、私たちの2度目の喧嘩。
お正月を日本で迎えたことは、言うに及ばず。