I need you !
パーティー当日。
春らしく淡いピンクベージュの膝丈のドレスに、魁の瞳の色に合わせて、今日は少し濃い目のバイオレットのショールを合わせて、会場のあるホテルに行く。
ラウンジで魁と待ち合わせている。
入り口から、見えるソファーに座り、魁を待っていた。
「あれ、都築さん?」
大学の知り合いだった。確か、
「高科(たかしな)君?」
「見違えたなあ。いつもの白衣姿も、凛々しくていいけど、今日は、一段と素敵だよ。」
「ありがとう。高科君も、スーツでばっちり決めてどうしたんですか?」
「これからパーティーのエスコートさ。それも姉貴の。参っちゃうよ。」
「どこの?」
「ブラウンカンパニーって、知ってる?」
「ええ、私も同じパーティーなの。」
「へぇ、奇遇だね。誰かの関係者?」
「そうなの。」
「圭太、お待たせ。」
と、ライトグリーンのドレスを身に纏い、髪をアップにした綺麗な女性が、近づいてきた。
「都築さん、紹介するよ。姉の遥香。姉貴、こちらは、大学の友達で、都築悠里さん。」
「はじめまして。いつも圭太が、お世話になってます。」
「いえ、こちらこそ。都築です。」
「姉貴、都築さんも同じパーティーらしいよ。」
「あら、偶然ね。でも、あなたにどこかで会ったことあるかしら?」
「ごめんなさい。たぶんお会いしたことはないと思います。」
「姉貴、他人のそら似なんじゃないか。」
「そうかな?会った気がするんだけど。まあ、いいわ。それじゃ、パーティーでまた会いましょう。」