I need you !
信じること
パーティーは、余り気を遣わずに、楽しめた。
こんなパーティーなら、何時だって、大歓迎だなぁと感じた。
しかし、その後、大学で高科君に、よく会うようになった。
夏乃が、
「この頃、よく会うわよね。わざとこちらに合わせてなあい?」
「前に、魁の会社のパーティーで、会ったことあるのよ。お姉さんが、魁の会社の秘書科に勤めているの。」
「悠里を狙っていたりして。」
「まさか。だってパーティーでは、魁にも会ってるし、フィアンセだって知ってるもの。」
「ならいいけど。でもちょっと、気をつけた方がいいと思うよ。」
「うん、気をつける。」
魁が、日本に来てもうすぐ半年が過ぎる。
いろいろなことがあった。
私自身も、精神的に成長したと思っている。
せめて、魁の隣に立っても、遜色ない位になりたい。
あと、2年間学生という身分は、魁に追い付けないようで、気持ちばかりが焦ってくる。
魁は、私で満足できているのだろうか。不安が私に絡みつき、どんどん自信を吸いとっていく。
魁の回りにいる大人の女性に、いつか魁を取られてしまうかもしれない。
魁だって、幼い私より、自分に相応しい女性を見つけてしまうかもしれない。
そんな不安を抱えながら、私は5年生に進級した。