I need you !
高科君の言葉に、頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。
何も言えずにいる私を、嬉しそうに見つめる高科君。
「知らなかったようだね。」
はっとして、
「お姉さんは、魁の秘書じゃないでしょ。」
「俺も詳しいことは知らないよ。でも、一緒に行っているのは、確かだよ。」
「そう。教えてくれてありがとう、と言えばいいのかな?」
「彼氏に確かめてみれば。もう、1週間になるよ。」
それから、どこをどうやって帰ったか、気がつくと、自分の部屋にいた。
仕事で行っているんだから、と、自分に言い聞かせても、気持ちがついていかない。
連絡したくても時差があるから、今、日本の16時は、シアトルは、サマータイムで真夜中0時だから寝ているだろう。
いつ帰ってくるのだろう。
明日時間を見て、連絡してみよう。
きっと一緒に仕事しているだけだよ。
不安に駆られた私は、夏乃に助けを求めた。
大丈夫だよって、言って欲しかった。
「悠里、ここでヤキモキしてても、何もわからないよ。夜中でもいいから、連絡しなさい。」
「だって、仕事で疲れて寝てるんだよ。」
「そんな大事な事を黙って行った向こうが、悪い。起こされても文句言えないよ。それに、婚約者や奥さんがいても、奪ってやれと思う女性は、たくさんいるよ。」
「わかった。私もこのままじゃ、今夜寝むれないから、シアトルが朝の5時になったら、連絡してみるね。レポート忙しいのに、ごめんね。」
「そんな事ないよ。むしろ頼ってくれて、ありがとう。私の時も、よろしくね。」