I need you !
魁の部屋に入ると、玄関には、魁の靴。
「魁!」
飛び付く私に、びっくりして、
《熱烈歓迎だね。一体どうしたの?》
魁は、私を抱きしめながら、ソファーに座り、私に優しいキスをくれた。
《ユーリ、落ち着いた? 会いたかったよ! ユーリ不足で、ダウン寸前だった。》
《魁、シアトルは沼田さんと行ったんじゃないの?》
《ああ、沼田は、日本での仕事を終えて2日ばかり、遅れて来たよ。どうして?》
《高科君、弟の方ね。彼が、魁はお姉さんと行ったと言うから、心配になっちゃって、今朝携帯にかけたの。そしたら、朝早いのに、部屋で高科さんの声が聞こえたから、びっくりして。》
《あれは、会社に寄っていたから、もちろん沼田もいたよ。》
《そうなんだ。》
ほっとしたら、身体から力が抜けていくのがわかった。
《もしかして、ユーリは、また俺を疑っていたの?》
《だって、高科君が誤解するようなことを言うから。》
《俺を信じられない?》
《前の魁を知ってるからね。》
《本当に、ユーリがいれば、何もいらないよ。そんなに心配なら、結婚を早めようか?それとも、一緒に暮らす?》
《私も一緒にいたい。でも中途半端は、いや。》
《OK! きちんとした形にするよ。これから、その為に動くからね。》
それから、魁の腕の中で、愛されていることを実感させられたのは、もちろんだ。